ISMTE参加で見えてきた、投稿先に“選ばれる基準”とは?

2024年夏、SeeklはISMTEに参加してきました!

今年は5月にCSE(科学編集者委員会)へ参加しましたが、7月にはISMTE(国際マネージング&テクニカル・エディター学会)の年次学術集会にも参加致しました。今年は米国ペンシルベニア州ピッツバーグでの開催でした。

会場の様子。世界中から集まったScience Editor達による活気あふれるセッションが続きます。

CSEとISMTEの違いは、CSEは学術出版やジャーナル運営における方針に関する発表や議論がメインであることに対し、ISMTEはより編集事務局としての日々の運営に関するテクニカルな発表や議論が多いという点です。

やっぱりAIが話題。でも、活用法は進化している!

今回のISMTEでも、先のCSEと同様にAIが大きなトピックとして扱われていました。これまでの論文の執筆における利用などにとどまらず、編集事務局での活用に関するテーマが主でした。参加者から利用例として提示されていたのは、メールの作成、文章校正、プログラムコードの生成などで、活用の範囲は広がってきている、多様化しているといった内容が大部分でした。

ジャーナルに求められる、投稿先に選ばれるための基準とは?

AI以外の特に興味深いトピックとして、「研究者が語る、ジャーナルに求められる要素」というようなセッションがありました。このセッションは、中堅といわれる層の医学系研究者へのインタビュー形式で行われたのですが、そのテーマは「論文投稿先を決める際の判断基準」でした。世界を見渡せば、投稿先候補になりうる学術ジャーナルは、規模や歴史を問わずに数々あります。では、研究者は実際にどのような基準で自分の投稿先を選んでいるのでしょうか?

この質問に対して、「ズバリ、この3つの基準です」と回答されていました。

  • JIF(ジャーナル・インパクトファクター)が高い
  • 査読が早い
  • 投稿しやすい

非常にシンプルであり、ストレートです。

インパクトファクター・査読が早い・投稿しやすい。これが3つの基準

実績という意味ではJIFが高いほうが有利、研究結果をいち早く公開するには査読のスピードが速い、そして手間と時間を考えると投稿のしやすさ、そういうジャーナルが選ばれるということです。ジャーナルの運営側としては、投稿論文を集めるにはまずこれら3つの基準にフォーカスすることが大切といえるでしょう。これらについて考えることは、いかに著者(投稿者)に寄り添ったジャーナル運営を行えているかを顧みることでもあり、必要で重要なプロセスになります。

ぜひSeeklにご相談ください。

多くの問い合わせをいただく、国際基準や出版倫理の順守はもちろん重要で、健全なジャーナル運営には必要不可欠な要素ですが、それと同様にマーケティング面にもしっかりと目を向ける必要があると、今回のISMTEへの参加で強く感じました。

ジャーナルのマーケティングとは、各種宣伝やウェブツールを使った広報戦略で知名度を上げることだけではありません。それ以上に大切なのは、質の向上です。投稿のニーズ(今回挙がっていた、インパクトファクター・査読が早い・投稿しやすい、など)を踏まえたうえでの著者とのリレーションの構築、そしてその維持です。これまでとは違った視点に立ち、運営、マネジメント、ニーズといった要素を含んだ、包括的な戦略が必要だと考えます。

投稿規定のブラッシュアップやジャーナル・インパクトファクターの取得はもちろん、ジャーナルの運営戦略にお悩みの方もぜひご相談ください。これからのジャーナル運営を強力にサポートいたします。