2025年版 Journal Impact Factor発表:研究の質をより重視する新たな変更点

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2025年版 Journal Impact Factor発表:研究の質をより重視する新たな変更点

6月18日、Clarivate社より2025年版ジャーナル・インパクトファクター(Journal Impact Factor)が発表されました。Journal Impact Factorはジャーナルのインパクトを表す重要な指標としてジャーナル運営に広く活用されており、今年で50周年を迎えています。*1

またあわせて計算方法の変更が発表されました。これは学術出版業界全体が「論文の質」により注目し、研究の信頼性を強化するための重要なステップとなるでしょう。

2025年の変更点:撤回論文の影響を排除

Clarivate社の発表によると、2025年以降に発表されるJournal Impact Factorの計算式では、分子から以下の数値が除外されます*2
1. 撤回論文(Retraction)からの被引用回数
2. 撤回論文(Retraction)に対する被引用回数
撤回論文に関する引用/被引用を分子から除外することで、より純粋に学術的なインパクトを表せるようになります。つまり単純な掲載論文数と被引用数の比率だけではなく、論文の質そのものがより重要になるといえます。
Clarivate社がこの変更を加えたことは、世界的な学術出版業界が「論文の質」に注目していることの証左と言えるでしょう。

Seekl.jpのコンサルティング・サービス:ジャーナルの競争力向上へ

今回の変更で撤回論文の影響はJournal Impact Factorのも分母に含まれますので、特に掲載数の少ない中小規模のジャーナルでは1つの撤回論文がJournal Impact Factorに比較的大きな影響を与えます。
今後のジャーナル運営においては、ますます出版倫理を熟知することの重要性が増してくるでしょう。

Seekl.jpではこうした最新の動向を踏まえ、ジャーナルの発展を支援するための専門的なコンサルティング・サービスを提供しています。

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Journal Impact Factorの計算式変更は、学術出版業界にとって大きな転換点となる可能性があります。ジャーナルの評価基準が進化する中で、研究の質をより重視する姿勢が重要視されていくでしょう。Seeklは世界における学術出版のトレンドに注視しなら、ジャーナルと共に成長戦略を立案し、ジャーナルの競争力向上を支援します。

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<参考記事>

*1 https://clarivate.com/academia-government/scientific-and-academic-research/research-funding-analytics/journal-citation-reports/
*2 https://clarivate.com/academia-government/blog/journal-citation-reports-2025-addressing-retractions-and-strengthening-research-integrity/