7月にISMTE(国際マネージング&テクニカル・エディター学会)の学術集会参加のために、Seeklメンバーでアメリカペンシルバニア州のピッツバーグへ行ってまいりました。常に最新の学術出版事情にキャッチアップするためには、こういった国際的なカンファレンスへの参加が欠かせません。
参加レポートは後日アップしますが、今回はカンファレンスの合間をぬって覗いてきたピッツバーグで人気のお祭り“ピクルスバーグ”(Pickles-burg)をご紹介します。
ピクルスバーグのアイコン「ピクルスバルーン」
ピッツバーグと言えば、メジャーリーグのパイレーツや、NFLのスティーラーズが有名ですが、ケチャップやマスタードで有名な会社Heinz(ハインツ)の故郷でもあります。ダウンタウンにはハインツ・ミュージアムがあり、ハインツの看板が街のいたるところで目に入ります。
ハインツの歴史は1869年からと古く、日本ではマスタードやケチャップのイメージが強いと思いますが、それよりも前から製造され古い歴史を持つのがピクルスです。アメリカでは今もハインツ商品として販売されていますし、アメリカでピクルスといえばハインツと言っても過言ではありません。
そんなハインツの故郷ピッツバーグでは、毎年7月にハインツがスポンサーとなるピクルスの祭典“ピクルスバーグ”が開催されます。
どんなお祭りかというと、会場にピクルス関連の出店が立ち並び、ピクルスの帽子やTシャツを着て、1本ピクルスやピクルスフライ、ピクルスドッグ、ピクルスピザ、ピクルスプレッツェルなどを食べ、ピクルスカクテルを飲みながらピクルス関連の様々なイベントを観るという、文字通りピクルスづくしのお祭りです。
出店ではピクルス関連グッズなども販売されており、来場者は皆、ピクルスTシャツやピクルス・ハットを身につけていました。筆者はお土産にピクルスの帽子とピクルスの小さな看板を買って帰りました。
最初はピクルスばかりのお祭りなんてそんなに盛り上がらなそうだな、と思いましたが、実際に会場に行くと、たくさんのお客さんが集まって大変な賑わい!休日の浅草寺仲見世通りのように、人をかき分けながらでないと歩けないほどの大混雑でした。
みんながピクルスグッズを身に着けて全身でピクルスバーグを楽しんでいる様子を見ていると、本当にピクルスがピッツバーグのソウルフードとして根付いているのだと感心しました。
そんなピクルスバーグで特に面白かったイベントが“オリンピックルス” (Olympickles)です。オリンピックルスというのは、「ピクルスの早食い」と「ピクルスジュースの早飲み」を競う2種目からなるピクルスバーグの名物イベントです。
特にピクルスジュースの早飲み競争は過酷を極めます。ピクルスジュースというと、なんだか甘酸っぱい飲みやすいジュースを想像されるかと思いますがとんでもありません。ピクルスジュースというのは、ピクルスをつけるお酢そのものです。ビールの中ジョッキほどもあるビンに、なみなみと注がれたそのお酢をいかに早く飲み干すかを競争するのです。想像しただけでむせてしまいそうです。
「オリンピックルス」の舞台。ここで熱い戦いが繰り広げられます
競技参加者がピッツバーグだけでなく、様々な州からエントリーされていたのは意外でした。私が見たレースでは、ほとんどの競技者がむせてしまい完飲することができてませんでしたが、地元ピッツバーグ出身の猛者は普段から飲み慣れているのか、むせることも息継ぎをすることもなくあっという間に完飲。貫禄の優勝でした。
ピクルスジュースの早飲み競争は1:33あたりから
今回は学術出版とは何の関係もない記事となりましたが、出張では先々の文化を肌で感じることも楽しみの一つです。次にピッツバーグに行く機会があれば、必ずや日本代表としてオリンピックルスに参加し、「金メダルを獲得し故郷に錦を飾るぞ!」、と決意した次第です。