PubMedは、世界中の主要な医学・生命科学系ジャーナルに掲載された論文へ無料でアクセスできる文献検索エンジンです。米国国立医学図書館(NLM)の国立生物科学情報センター(NCBI)が作成・管理しており、1946年から現在までの膨大な文献情報が収録されています。
では、ジャーナルがPubMedの検索結果に表示されることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。またジャーナルをPubMedに表示するにはどうすればよいのか、見ていきましょう。
◆PubMedに表示させるメリット
【認知の向上】
PubMedは世界中の研究者が利用するため、表示されるジャーナルは世界的な認知度が向上します。
【引用数の向上】
論文が多くの研究者に見られることで、引用される可能性が高まり、研究成果の影響力が拡大します。
【信頼性の向上】
PubMed収載のためには厳格な収載基準があるため、収載されることでジャーナルや論文の質が保証されます。これにより学術的な信頼性が向上します。
実際、PubMedに掲載されることで論文の閲覧数が増加し、以下のように論文投稿数が増えた事例もあります。
◆PMCとMEDLINEの違い
PubMedにジャーナルを掲載させるには、MEDLINEもしくはPMCに収載される必要があります。まずはどちらを目指すのかを決めましょう。
MEDLINEは出版形態も言語も問わず審査対象となります。審査は非常に厳しく、その分収載誌はハイクオリティなジャーナルと見なされます。対してPMCはオープンアクセスの英文誌のみが対象です。もちろん厳しく審査されますが、MEDLINEと比較すると通過しやすいといわれていますので、収載対象の条件に当てはまるジャーナルはPMC収載を目指すのがおすすめです。
PMC、MEDLINEいずれも審査の概要はNLMのサイトで公開されています。収載要件も掲載されていますので、一度目を通してみてはいかがでしょうか。
◆収載準備の落とし穴
審査に向けた準備には、いくつもの落とし穴があります。
1つ目は自誌の分析です。”岡目八目”という言葉があるように、第三者から見れば明らかな問題に自分たちでは気が付けない、もしくは目をつむってしまうことも良くあります。
2つ目は課題の設定です。例えば収載要件と照らし合わせて課題を見つけようとしても、収載要件には抽象的な表現も多く、判断に迷うことがあります。
また実際申請に挑んでみると、収載要件として掲載されていない項目が落選理由となっていることもあります。これは主に国際的な学術出版の流れやベストプラクティス(国際基準)がジャーナル運営に反映されていないためですが、その把握には様々なガイドラインを参照し、その変化を追い続けている必要があります。
3つ目は課題の解決方法です。正しく課題を設定出来たとしても、それを解消できなければ意味がありません。しかし先生方も事務局様も普段の業務で忙しく課題解決に手が回らなかったり、そもそも解決する手段が分からない、というケースをよく目にします
数々の困難を乗り越えて申請まで辿りいたその先には、4つ目の関門である質疑応答が待っています。申請後、ジャーナルについてより詳細な説明を求められることがあり、適切に回答できなかった場合、落選リスクが大きく高まります。
ここを潜り抜けてもまだ安心はできません。最後に待っているのは、XMLの製作技術に関する審査です。ジャーナルのクオリティとは別に、PMCやMEDLINEが求めるクオリティのXMLを安定して作れる必要があります。
◆PubMed掲載は世界への切符
PubMedには世界中の研究者に日々利用されています。PubMedに掲載されることで、ジャーナルの認知が拡大、閲覧数や引用数の増化に繋がります。また厳しい審査を潜り抜けたジャーナルとして研究者からの信頼性も大きく向上します。
一方でPubMedにジャーナルを掲載させるには、MEDLINEもしくはPMCのいずれかに収載される必要がありますが、それには厳しい審査を潜り抜けなければいけません。
Seeklの国際データベース収載コンサルティングサービスでは経験豊富案なコンサルタントがジャーナルの状況分析から課題の洗い出し、申請までのプラン作成、申請後の窓口対応までしっかりとサポート致します。
まずは自分たちで準備を、と考えられる方も多いのですが、申請までの準備には様々な落とし穴が潜んでいます。折角の熱意と労力を正しい方向に費やすためにも、まずは一度Seeklにご相談ください。