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研究者の「名刺」、ORCIDとは?

名は体を表すと言いますが、同じ名前が同じ人を指すとは限りません。あるいは、同じ人でも、国が違えば名前の表記が変わることもあります。このように、私が「私」であることの証明は、簡単そうで実は難しいのです。

個人をどう識別するのか、いわゆる「名寄せ問題」は、学術界においても大きな問題となってきました。同じ苗字の人が大量にあるケースや、結婚による改姓、表記揺れ、文化圏による姓名表記の違いなどが原因です。これを解決すべく開始されたのが、ORCIDと呼ばれる研究者識別子です。その誕生から活用場面まで、詳しく見ていきましょう。

著者の名を与えられるのは誰?

著者としてジャーナルに論文が掲載される、ということは、具体的に何を意味するのでしょうか。それは研究実績となり、学術的・社会的な権利や責任、そして信用をもたらします。しかし、研究に参加した人は誰でも著者として認められるわけではありません。それでは、何をしていれば著者を名乗ることができるのでしょうか。

ICMJEアップデート<2025年1月>

2025年1月、国際医学雑誌編集者委員会(ICMJE)は略奪的ジャーナルや疑似ジャーナルへの対策に関する指針と国際統一投稿規定(ICMJE Recommendations)のアップデートを発表しました。

Up-Dated ICMJE Recommendations (January 2025)

略奪的ジャーナルや疑似ジャーナルは学術出版界全体の大きな問題であり、ICMJEが指針を改めて発表したことは大きなニュースと言えます。またICMJE Recommendationは医学領域を対象としたものですが、医学以外にも多くの分野でも参考にされている、学術出版の国際基準の一つです。

それではアップデート内容を見ていきましょう。

科学出版の羅針盤:CSE Recommendationsで読み解く、良いジャーナルの条件

質の高い論文が多く集まる雑誌とはどのようなものでしょうか。例えばジャーナル・インパクトファクター(JIF)を取得することや、PMC・MEDLINEなどの国際的なデータベースへ収載されることはジャーナルのブランド価値を高め、研究者たちの注目を集めることにつながります。これらの目標を達成するためには厳しい審査を通過する必要があり、そのためには出版倫理基準を定めている国際的な団体が発表するルールに沿ってジャーナル運営を行うことが重要となります。今回は、科学分野の出版ルールとして権威のあるCSE Recommendationsについてご紹介します。

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